藍の品種 Ⅲ

治31年に徳島県農事試験場の技師吉川祐輝が調査した藍の品種は、青茎小千本 赤茎小千本 百貫 上粉百貫 上精百貫 両面平張 じゃんぎり(散切) るりこん千本 青小千本播磨青 おりき千本 赤茎大柄 大葉百貫 椿葉 縮緬 縮葉 越後 青茎中千本 赤茎中千本 赤茎大千本 大柄百貫と20種の記載があります。他にも赤茎百貫 青千本 赤千本 紺葉 丸葉藍など明治になってからは栽培種の名称は数多く記載され、これら品種名の中にはほとんど同じものも含まれていて、今日では判別することは不可能です。

 

明治6年(1873)に発行された『あゐ作手引艸』は備後福山の藤井行磨によって藍作から藍粉成しまでの行程が書かれています。藍の品種も獅子葉 知々美葉 丸葉 剣先葉 大葉 木瓜葉 出雲葉 小千本青 小千本赤軸 小千本両面と10種が記載されています。後藤捷一氏によると阿波の手法の紹介と、記載されている品種は全て阿波での栽培種であると云われています。

 

合成藍の輸入によって栽培面積が急速に減った大正9年に、従来から栽培されている品種が雑多であったため、整理して優良な品種を試験場で選出しました。最も収量•価格の良い小上粉は明治初期には栽培されていなかった品種で、京都九条の水田で栽培されていたため水藍とも呼ばれていた一種でした。百貫 両面平張 赤茎小千本 上粉百貫 るりこん千本 じゃんぎり 青茎小千本が上位に選ばれ、指導奨励されたことでその後は栽培される品種が少なくなっていきます。

 

 

現在(2007年)農業試験場で栽培されているのは、小上粉の白花種と赤花種 赤茎小千本 百貫 宮城 松江 広島神辺 大千本 千本 紺葉 那賀椿の11品種です。最近になって藍の研究は急速に進み、青藍(インジゴ)の含有量の測定は乾燥方法によっても違うことが判明したり、これからいろいろと解明されると思われます。品種別の含有量の比較はまだ決定されたわけではありませんが、大千本 紺葉 百貫 那賀椿の順になっていて、現在主力品種とされ栽培している小上粉白花は中間くらいです。